SALLY'S FURNITURE STORE

色々な要因が重なって都内ではガソリンが不足をしていたが、ここにきて平静を取り戻しつつあるようだ。
私も敷地内に置いてある抹消したトラックからガソリンを抜いて凌いだりしていたが、これでお待たせをしていた配送に伺えそうです。

ガソリンタンクの入り口から細いホースを差込、もう片方を口につけて一気に吸うと勢いよくガソリンが上がって来ます。
そのガソリンを低い位置に置いた容器に差し込むと、ドクドクと溜まってゆくすんぽうです。

口を放すタイミングが肝心で、早く放すと元に戻ってしまいますので、口に触れるか触れないかの寸前がベスト。
酔っ払ったハゲチャビンのオヤジが新宿のキャバクラで、贔屓のユリエちゃんあたりに隙をみてチュとしようとして、ギリギリで交わすユリエちゃん行動を思い浮かべてもらうとわかり易いと思います。　　　　　　　　プロの技ですね。
「やーねー、ツンチャ～ン　飲　み　す　ぎー」　とか言われちゃったりして。

若い頃、バイクのタンクからガソリンを同様な所作で抜こうとしましたが、失敗してガソリンを飲み、ぶっ倒れた事がありました。
何度も失敗をしながら私は成長してきました。　　　　こうして大人の階段を上るのですね。
あの頃はキャバクラなかったから、自分で創意工夫をしたものです。　キャバクラがあれば

ガソリンを確保するには走り回り開いているスタンドを探し、その列に何時間も並ばなくてはなりません。
ですが、仕事も溜まっており時間が惜しいし、並ぶほどのガソリンがなくなった私は、ひとつの案に辿りつきました。
通勤にも事欠いた私は、N沢に電話をする事にしたのです。
N沢は当店と私の本業の手伝いも致しますが、プロのドライバーでもあります。
ですので、彼であれば仕入れる裏技があるかも知れません。

「Nちゃん、仕事大丈夫？　ガソリン手に入るの？」

「大丈夫っすね」

「提携しているスタンドとかあるの？」

「いや、ないっすけど」

「裏技とかあるの？」

「裏技か～、ホラッ、俺とかはアッチコッチ走るでしょ、で、まず、目を凝らして開いてるスタンドとかを見つけるんですよ」　　　？？？？目を凝らす？？？？

「んん、それで」

「そしたらっすねー、あっ～でも、社長には無理かな～」

「なになになに、もったいぶらないで教えてよ、誰にも言わないからさ」

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「そしたらっすねー、並ぶんすよ、確実ですよ」

えっ